【スピーカーという便利で不便なもの】

By Kyri(2017.06.09)

出先にてスマホのスピーカーで聴いている人

電車内にてイヤホンで音を聴いている人

2つのスピーカーから音を聴いている人

スピーカーの位置、距離、機材など細部までこだわって聴いている

 

上記の方はすべて同じ音源を聴いているとします。

再生環境が違うのに不思議とある程度同じものに聞こえます。

 

なぜなら、多くの作品でエンジニアと呼ばれる方が

「声と呼ばれるモノ」「楽器と呼ばれるモノ」「ノイズと呼ばれるモノ」

すべての音を様々なテクニックを使い

どんな環境でも聞きやすいように調整してくれているからである...

 

と前置きはここまでにしておきます。

 

さて、これは当たり前のことですが

これが当たり前であることに僕は違和感を感じるんですね。

 

最大限のモノを届けられていないのでは?と思ってしまうんです。

良くも悪くも。

スマホのスピーカー、これらは現状ほとんどがモノラルなんですね

(ステレオタイプのスマホが発売されていますが特定の状況下でしかステレオで再生されないようです。)

 

モノラルとステレオは別次元。

1次元と2次元の感覚と例えれば良いでしょうか。

ステレオで表現できたことが、モノラルでは表現できないことが多いんです。

https://soundcloud.com/takida92/monostereo/s-nbhti

(モノラル環境だと水の音のみ聞こえますが、ステレオ環境だと虫の鳴き声も聞こえます。)

これはこれで面白い。

 

これらは専門性が高く理解が難しいですが、

重要なのはステレオで鳴っていたものがモノラルでは再現できないということです。

 

2次元の世界を1次元でも再現できるように…

このことはモノラルでの再生環境が存在しているので、

仕方なく考慮しなければいけないことが多いんです。

「あれ。音が鳴ってない…」なんてことがあってはならないことなので。

 

幅広く公開される物については一番下のグレードにある程度合わせることが多いんですね。(stereo_modeやmono_modeなんてものがあっても良いとは思いますが

mono_modeの需要が少なすぎて非現実的に感じます。)

またイヤホンで聞いている音はステレオです。

スピーカーで流れる音も同じでステレオですが聞こえ方は全くの別物です。

イヤホンでは鼓膜のすぐそばで音が流れますが

スピーカーでは音が流れてくる方向があり距離があります。

その距離によって「音1つ1つ」の聞こえ方が変わります。

当たり前ですが、音が流れてくる場所が違うので

頭で認識する「音1つ1つ」の位置の感じ方は違いますよね。

(再生機器によって印象が変わると思います)

そのため両方での良いバランスを見つけどちらかで妥協する必要があります。

スピーカーによって再生可能な周波数も違います。

大きなライブ会場では十分感じられる音が

イヤホンでは十分感じ取れない音がでてきます。

それも仕方なく妥協してイヤホンでも取りこぼさない配慮がされていることもあります。

https://soundcloud.com/takida92/bass/s-8Lxwl

(わかりやすく大げさに処理していますが0:00~が処理前、0:09~が処理後)

このように仕方なく妥協してすべての機器で問題なく再生できるように作るほかないんですね。

多くの人が携帯できる音楽を求めているので。

 

もし、すべての人がイヤホンから流れてくる音楽を求めているなら

もし、すべての人が2つのスピーカーから流れてくる音楽を求めているなら

もし、すべての人がスピーカーの距離、位置が計算され尽くされた音楽を求めているなら

もし、すべての人がサラウンドの音楽を求めているなら

 

それだけで新しい音体験ができる機会が増えると思います。

(個人的に閲覧注意)

 

それが良い音楽かは全くもって別の話ですが(※重要)、

スピーカーから流れる音に表現の幅が広がることは間違いないですよね。

今でもどれかの再生方法に特化した音を作ることは可能ですし、既に作られています。

ですが使われる場面は現状限られています。

ということは製作者も限られ大きい需要がないということ。

製作者としてはスピーカーから流れる音楽をポピュラーに聞いてもらえる環境が変われば、その環境の音楽が作られる機会が増え多くの人に研究されます。

 

これだけでなんとなく新しい時代が来そうですよね。

最大限のモノが多くの人の耳に入って、なにかを感じたり感じなかったり、

なにかを思いついたり思いつかなかったり。